萩原朔太郎の 39 篇の詩をフルオンチェーンの NFT としてデザインし、9 つのブロックチェーンに刻んだアート作品。

URL

https://sakutaro.on.fleek.co

説明

この作品には 3 つのテーマがある。

1 つめは、著作権が切れた文学作品のもとの良さを残しつついかに付加価値をつけるか。 まず、39 個という少ない個数に限定した。 そして、単に文字を見せるだけでなく、グラデーション的な動きがある SVG 画像をデザインした。加えて、所有者によって詩の内容が変化する仕組みを入れた。これにより、保有する人に応じてメッセージ性が決まるという、特別な体験がもたらされる。例えば、NFT マーケットなどで購入した場合でも、購入者のウォレットに送付されたタイミングでメタデータは変更される。

2 つめは、できるだけ長く NFT を残すにはどうすればよいか。 プラットフォームへの依存を極力なくすために、ルビ情報などを含むすべてのデータはすべてオンチェーンに記録した。 記録するブロックチェーンについては、どれが長く残るかわからないという点から、ひとつに絞ることなく様々なものに対応することにした。 すなわちこの NFT プロジェクトは、数年後、数十年後に、各チェーンやその NFT のビューアなどがどう発展しているかを長期的に調査するという実験的な意味を持つことになる。記録フォーマットに SVG を使っている点も、長期的に表示可能かどうか確認したいポイントである。

3 つめは、NFT のスマートコントラクトにおける技術的な新しさへの挑戦である。 所有者によってメタデータを切り替える機構は、単純ではあるものの、過去に例をみないものと認識している。 また、Ethereum や Avalanche C-Chain などいくつかのチェーンでは、NFT を mint する人が、その時点で、詩のコンテンツデータをブロックチェーンに記録する仕組みを導入した。 ここには、マークルツリーを活用し、所定のデータ以外を入れられないコードを実現した。